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2020年 8月 9日 薬学部→薬剤師 だけじゃない!~向原先生~

 

こんにちは。

この間、久しぶりに中学の頃の友達に会いました。そのときに、こんな会話をしました。

 

友達:何学部に通っているの?

自分:薬学部に通っているんだ。

友達:じゃあ将来は薬剤師になるんだね!

自分:私は薬剤師じゃなくて、薬の研究者になりたいんだ。

 

実はこういう話は何度かあって、薬学部なら薬剤師、というイメージが強いのだと感じます。もちろん薬剤師になる人は多いのですが、それだけではない!ということを伝えたくて、今回のブログを書きました。オープンキャンパスの代わりだと思って読んでもらえたら嬉しいです。

 

薬学部には2つの学科があります。6年制の学科と4年制の学科です。(※6年制しかない大学もあります。)私の大学では6年制薬学科4年制薬科学科と呼ばれています。私は4年制の方に通っています。名称は大学によって異なるので、ここでは「6年制」「4年制」と呼びますね。

 

6年制は薬剤師を目指す人が多い学科です。病院や薬局に実習に行くカリキュラムがあり、卒業後は薬剤師として病院や薬局に就職する人が多いです。

4年制は研究職につく人が多い学科です。学部から、大学院に進学する人が多いです。大学院を卒業後、製薬会社に就職するのが多数派です。

 

2つの学科の大きな違いは、薬剤師の国家試験を受験できるかどうかです。私の通う4年生の学科では、国家試験を受けることが出来ません。病院などに実習にいかない分、早く研究室に入って研究を始めるということです。

 

現在、コロナウイルス感染症のワクチンや治療薬についてニュースで取り上げられることが多いですが、まさにそれをやっているのが薬学研究者だと思ってもらえると、イメージしやすいかと思います。

 

薬学部では何を学ぶかというと、化学系、生物系、物理系、など幅広い分野を学びます。薬そのものは有機化合物であり、その合成に関することを化学で学びます。病気のことや薬が体内に入ったときのことは生物で学びます。PCRなど、検査や測定には物理法則を用いるため、物理を学びます。とにかくここでは書ききれない程たくさんのことを勉強します。

 

ここまで読んでくれた方の中には、理工学部と何が違うのか疑問に思った人がいるかもしれません。

私は、目的が医療に関係するかどうかが違うと考えています。同じ分野の知識であっても、それを医薬品開発に応用するか、製品開発に応用するかで完成するものは大きく変わってきます。もちろん理工学部から医薬品研究の道に進む方もいます。ただ、薬学部の強みは医療従事者としての心構えが授業を通して身につくところです。授業では薬や患者さんの視点からその分野を学びます。例えば、有機化学の授業では、ある化学反応を習った後、その反応が医薬品合成においてどのように使われているのかを教えて下さります。

今世界中の人が苦しんでいるコロナウイルスや今後流行する病気から、薬の開発によって人々を救うことができると考えたら、すごいと思いませんか?

慶應義塾大学薬学部薬科学科2年 向原捺美

 

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